希望の種

作詞・作曲/山﨑ツトム

海は穏やかで
現実が嘘のように
ようやく辿り着いた海岸
見渡す限りの瓦礫
押れ曲がった鋼鉄のフェンス
ひび割れうねるアスファルト
押しつぶされ転がる車  
剥ぎ取られた木々の幹 

そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 生かされた命で
そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 残された大地に

春はもうそこまで
風は頬をなでる
でもさ振り返れば
見渡す限りの瓦礫
折り重なった電信柱
流され突き刺さる漁船
無くしてしまったもの
無くなって
無くなって
無くなって見えたもの

そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 生かされた命で
そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 残された大地に

そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 生かされた命で
そうさ 種を蒔こう 希望という名の
そうさ 種を蒔こう 残された大地に

東日本大震災から数日たった日、まだこの先どうなるか誰もわからず不安に包まれる中、閖上の海岸に足を運んだ。そこには気が遠くなるほどどこまでも続く瓦礫・・・。

海水に浸ったはずの畑に種を蒔く男性に力強さと希望を感じたのは穏やかな春の日だった。